『Heart To Heart』という名前は、同じ言葉を小さなつながりの両端に置いている。目印のない地図にも似ている。目的地がどれほど遠いかより、一方からもう一方へ届くかどうかが大切なのだ。ラジは高橋幸宏と後藤次利の共同プロデュースで、このソロ・デビュー作を一九七七年に発表した。後からよく知られる音楽家たちの交差点としてだけ読むと、題名が先に差し出した問いを見落とす。一人の歌手を中心とするアルバムは、どう関係を収められるのか。孤立した自己宣言だけでなく、呼びかけや距離の変化も全体を作りうる。
十曲の順番は具体的な手掛かりを与える。「HOLD ME TIGHT」で始まり、「IT’S ME…IT’S YOU」では二つの代名詞が並び、「THE TOKYO TASTE」が都市の名前を持ち込み、終わり近くには到着も出発もできる場所として「エアポート」が現れる。これは題名に見える事実であって、連続した物語の証拠ではない。しかし近い相手への願いから公の空間へ移り、再び「Heart to Heart」へ戻る、という批評的な読み方はできる。曲目表は索引であると同時に、親しさの尺度が変わる道を紙の上に作るものにもなる。
共同プロデュースは、その道に複数の人間の仕事という土台を与える。Sonyは坂本龍一、鈴木茂、今井裕の参加と、南佳孝のデュエットを記している。豪華な名前の一覧として眺めるより、そこで示される仕事の多様さを考えてみたい。この場合、都市という比喩にネオンの風景は要らない。異なる能力が集まり、中心を保ちながら、応答のための場所を残す。誰もすべての道を所有しないが、接続するところで全体の形が生まれる。個人名義は複雑さを取り除くのではなく、その中をたどる方向を聴き手に与えている。
六曲目の「THE TOKYO TASTE」は、プログラムの中に地理的な名前を明確に置いている。だが全体を東京の風景画へ縮めると、せっかくの地図が狭くなる。都市は名所だけでなく、知っている人と知らない人、一人の時間と誰かといる時間、通り過ぎる場所と分け合う場所の切り替わりにも存在する。アルバム名と各曲の題名を並べると、外側には地理、内側には関係が見えるという二重の読み方が可能になる。文化的な気配は作品へ後から貼る装飾ではなく、人が同じ時間の中で互いに場所を与える方法にも宿る。
最後の同名曲は「Heart to Heart」へ戻り、開かれた道に穏やかな句点を置く。終わりは、すべての関係が解決した証明でなくてよいし、十曲を無理に一つの物語へ押し込む必要もない。名前の反復だけでも、広がった空間を説明し尽くさずに集め直すことができる。今は再発や配信が入口になっても、曲順には呼びかけからつながりへ向かう小さな道が残る。シティ・ポップの都市は眺める場所であると同時に、ともに居る場所にもなる。風景やメディアが変わっても、一人がもう一人に届きたいという単純で複雑な願いは続いている。