『Timely!!』には感嘆符が二つある。席に着く前から到着を知らせる人のようだ。しかし1983年12月5日に発売された杏里のこのアルバムは、もっと静かな技術上の注記で始まる。「CAT’S EYE」の後ろにある「NEW TAKE」である。知っている曲で聴き手を招きながら、録音を新しくして室内の配置を変えることもできる。同じ曲名だから同じ演奏、とは限らない。成功したからといって、選択がすべて終わるわけでもない。
協働については、杏里自身の回想が、才能同士の運命的な出会いという物語より具体的だ。Audio-Technicaのインタビューで彼女は、ブラック・ミュージックのバラードやダンス・ミュージックへの好みと、角松敏生の音楽に感じた、自分が求める方向との近さを語っている。『Bi・Ki・Ni』での仕事を経て、『Timely!!』ではアルバム全体を角松に任せた。歌手が音楽上の親和性を見つけ、相手を招き、その判断を一枚の規模へ広げる過程が見える。
曲順も、その関係に目に見える形を与える。「WINDY SUMMER」「STAY BY ME」「SHYNESS BOY」が「悲しみがとまらない」などと並び、当初の十曲は「GOOD-NIGHT FOR YOU」で終わる。一方、よく流通する拡張版には「Remember Summer Days」が加わる。フォーライフの資料によれば、この曲の最初の居場所は「悲しみがとまらない」のシングルB面だった。追加曲は終わり方を変え、初めて接する人が考える「元からのアルバム」の姿まで変えてしまう。
シティポップには、プール、道路、夜景という有能な図像が付き添う。だが、それらだけで制作上の判断を覆ってしまうのは惜しい。本作には、二人がそれぞれの音楽的判断を同じ机に置く図のほうが似合うかもしれない。タイトルの「時宜にかなう」という約束は、1983年だけに閉じる必要がない。別の版は別の時代へ作品を届ける。括弧や制作関係、B面の来歴を読むことは、気軽な招待を損なわない。その軽やかさが、丁寧に組み立てられたものだと気づかせる。